年度の言葉
2020年度 新年度の言葉
失敗の原因追究に管理職も入って、自ら改善策を出す |
皆さんは、失敗を当事者だけに関わる問題で済ましてはいないだろうか。失敗に至ったいきさつをはっきりさせて、なぜ失敗が発生したのか掘り下げていくと、ほとんどの失敗は当事者の関わる問題だけでなく、業務全体あるいは管理職の関わる問題もあることに気づく。
失敗というのは、会社や職場の脆弱な部分が、たまたま形になって表れてきたに過ぎない。優れた管理職ほど、部下の失敗を見て、自らが関わる問題にも気づき、すみやかに改めていく。管理職が自ら関わる問題に気づかず、失敗した当事者や関係者を攻めるのは論外である。次回失敗しないためにはどうしたらよいか、管理職と当事者が一体になって、全員分の改善策を出すつもりで原因追究を進めることが大切だ。
コロナ禍により新たな取り組みが始まった職場や企業も少なくない。新たな取り組みの中での失敗であればなおさら、失敗の当事者と管理職が一緒に考えていく。いち早く業務全体を変えていけるかどうかが、企業の生き残りの成否のカギを握ることはいうまでもない。
2020年8月12日 小倉 仁志
これまでの言葉
2019 年 |
原因追究の狙いは、現状維持ではなく、現状の超越だ
スポーツ選手が試合で負けた後、悔し涙を流しているシーンを見ることがよくある。彼らは翌朝から、次の試合に向けて自分の弱点の補強に取り掛かる。確かに、敗因の一つに、自分の未熟さやメンタル面の弱さが挙げられるが、今までのやり方にこだわらず、やり方を変えて次に向かうことが、それらの克服につながることを彼らは知っている。自分の何が負けにつながったのか自己分析し、それを見直して新たなトレーニングに打ち込む。業務の失敗でも同じこと。どんな優れている人でも失敗する。完全な業務なんてものはどこにもない。失敗したら自分のために、また続く後輩たちのために、やり方を変えていく。
スポーツ選手の前向きな姿とは裏腹に、私たちは業務で失敗した後「原因追究しなさい」と高圧的に言われると、自分や担当者に落ち度があったから失敗したんだと考えて、原因追究をおろそかにしがち。そんな後ろ向きな考えでは、とうてい優れた改善策を見い出せるはずもない。
原因追究を要求する側、原因追究する側、ともに「原因追究しなければならない」ではなく、「原因追究して、もっと良くしよう」と前向きに考えることが、何より大切なことだ。スポーツの世界でも仕事でも、原因追究の目的は現状維持ではなく現状の超越だという想いのもとに、全員で進めていかなければならない。 |
2018年 |
「転んでもただでは起きない」 時代に先駆け、失敗を契機に業務のやり方を変えていく
「失敗」が発生すると、次回からミスが起きないよう「ルールをつくる」「ルールを徹底する」「ルールを教育する」といった再発防止策が報告書に書かれていることが少なくない。確かにルールも大事だが、その前に考えてほしい。今までの延長線上で「ルールを作る」というのは、「失敗」に対する当座の対策に過ぎない。 私たちの身の回りは人手不足や高齢化社会にどんどん突入していき、時代はますます変化していく。時代の変化に合わせて、今までのやり方を変えなければならない。でも、何かきっかけがないと重い腰を上げづらい。そんな重い腰を上げるきっかけが「失敗」だ。 「失敗」こそが、真剣に自分たちの業務のあり方や進め方を見つめなおし、時代に見合ったものに変えていく契機だ。「失敗」が発生したら、顧客や職場の変化に合わせて「失敗」が起きないようにやり方や進め方を変えていく。 「やり方を変える」といったプラスに転じる策を講じてこそ企業は進化していく。 「転んでもただでは起きない」 「失敗」をプラスに変えて進化し続けようとしないかぎり、決して生き残れはしないだろう。
|
2017年 |
先を見通し、足元を見据え、変えるタイミングを逃さない |
2016年 |
皆で「なぜ?」 新たな扉を見つけて 次のステージへ |
2015年 |
進化し続ける 今日の「振り返り」と明日の「巻き返し」 |
2014年 |
「こだわり」なくして、自分も事業も「成長」はない |
2013年 | 気づいたが勝ち 身の丈に合った目的で、いい気づきを得る |
2012年 | 仕事の原点である「使命」を再確認し、引き続き「役割」も見直そう |
2011年 | 焦点を絞ったシンプルかつストレートな考えがブレークスルーを生む |
2010年 | 「基本のおおもとにある考え」を探り出し、それを元に変えていく |
2009年 | 変化が著しい時こそ目前のモノゴトを見落としてはいけない!! |
2008年 | 変化に対応できる基盤固めを目指す |
2007年 | メリハリのある職場作りが「気づき力」「対応力」(危機意識)を醸成する |
2006年 | 納得のいく「緊張感」と「感動」が欠かせない |
2020年度の言葉
失敗の原因追究に管理職も入って、自ら改善策を出す |
皆さんは、失敗を当事者だけに関わる問題で済ましてはいないだろうか。
失敗に至ったいきさつをはっきりさせて、なぜ失敗が発生したのか掘り下げていくと、ほとんどの失敗は当事者の関わる問題だけでなく、業務全体あるいは管理職の関わる問題もあることに気づく。
失敗というのは、会社や職場の脆弱な部分が、たまたま形になって表れてきたに過ぎない。
優れた管理職ほど、部下の失敗を見て、自らが関わる問題にも気づき、すみやかに改めていく。
管理職が自ら関わる問題に気づかず、失敗した当事者や関係者を攻めるのは論外である。
次回失敗しないためにはどうしたらよいか、管理職と当事者が一体になって、全員分の改善策を出すつもりで原因追究を進めることが大切だ。
コロナ禍により新たな取り組みが始まった職場や企業も少なくない。新たな取り組みの中での失敗であればなおさら、失敗の当事者と管理職が一緒に考えていく。
いち早く業務全体を変えていけるかどうかが、企業の生き残りの成否のカギを握ることはいうまでもない。
2020年8月12日 小倉 仁志